レシピ本ではないのですが、アスペルガー関係の本で面白い本を読んでいます。
その内容で心の琴線に触れた一節があります。自閉症スペクトラムである著者と一般人との質疑応答をしているくだりでのこと。
質問者:「自閉症者特有の行為をなぜするのですか?」
それに対しての著者の返答、
著者:「両手の隙間から砂をさらさら落としてずっと眺めていました。そうするとまわりの世界を締め出せるんです」。
これ、よくわかります。私が喜びを感じることができるひと時がまさに、周りの世界を締め出したとき、なのです。やはりそうしたいという欲求があって、そうすることで快が生まれるのです。
逆に世界を感じてしまうときというのは他者を感じるときであり、自分の存在について言及されることが最も嫌なことかもしれません。自閉症者が見せる奇行というのは、そうやって世界を意識から締め出すための方法なのです。
人から変わっていると言われる私ですが、快を感じる回路や対象がそもそも一般人とも他のアスピィとも異なるのです。
著者が「自閉症」を肯定している一説に面白いものがあります。
「
自閉症を撲滅してしまったら、天才や才能に恵まれた人たちを排除してしまう。なんと言っても根っから社交的な人たちは、コンピュータや発電所やこのホテル(話の中に登場するホテル)みたいな大きなビルをつくったりしない。つき合いで忙しくて、そんなことをする暇がないのです」
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