豆乳ヨーグルトの製造のつづきです。
私は以前から、酒粕というものは何かとてつもなく美味しいものになるであろう、という予感めいた思いがあったのですが、ふと、
米糠乳酸菌の豆乳ヨーグルトに酒粕を入れて発酵させたら素敵なことになるのでは?というアイデアが浮かびました。
思いつくといてもたってもいられないたちなので早速スーパーで酒粕を買ってきました。
酒粕はさすが米の塊りなので指に粘ってこびりつきます。試しに50gほどの酒粕をちぎりとり、水で延ばし乳酸菌と酵母菌のエサである砂糖を加えてて豆乳ヨーグルトの容器に注ぎます。
それをお風呂の残り湯に一晩つけておくと翌朝には、酵母菌が盛んに気泡を放ちシュワシュワのサイダーのようになっていました。
米はたんぱく質少ないので豆乳ヨーグルトのような固まり方は見せず飲むヨーグルト的なゆるさです。
容器に鼻を近づけてみると甘い乳酸菌の香りと酒粕の香りがします。スプーンですくって口に含むと酵母菌が放つ炭酸の刺激が強く感じられ、まだアルコール化していない糖分のほのかな甘みが感じられます。そして控えめに乳酸菌の存在感が現れます。まだまだ日本酒のヨーグルト割りといった粗い味です。
10時間ほどのこの状態からさらに10時間重ねると味がまとまり、美味しい乳酸菌飲料の味になりました。
お正月なので時々様子を見てはチビチビ舐めていたのですが、どうも当日、翌日と微かな頭痛がするのです。それと米粉パン作りで過剰にイースト菌を摂取していた頃のように鼻が詰まります。
私はもともとお酒に弱いほうで飲酒するといつも鼻詰まりし、頭痛がありはするのですが、それはビールやワインなどの西洋のイースト菌のせいではないかと考えていたことも今回の実験で確かめてみたかったことのひとつでした。
酒粕酵母を飲み始めてからの最もひどい不快症状としては、頭がふらつきめまいがし血圧が下がるような気持ち悪さ、というものがありました。これはアルコールに関係なくたまにあるのですが、この場合食品への反応のひとつと見ることにしました。
これにより私は、
わかもと、製パンイースト、日本酒の酵母など種類に関係なく酵母菌に対して不快な反応をすることがわかりました。
しかし「豆乳ヨーグルト+酒粕×発酵」のそれは時間を重ねるごとに美味しくなってゆきます。もったいないのですが、快適な人生を求める小麦牛乳断食修行者としてはこれを加熱殺菌処理することにしました。酵母菌よさようなら。
そして「豆乳ヨーグルト+酒粕×発酵」を沸騰させて殺菌すると甘酒のような味になりました。
それに再び米糠と砂糖を加えて乳酸菌発酵を試みます。まるで100年続く秘伝の鰻タレのような継ぎ足しようです。
翌朝、お風呂の残り湯から引き上げてみると見事に乳清と豆乳+酒粕部分に分離していました。
↓黄味がかって見えるのはきな粉を加えたためです。ヤクルト色です。
↓ふりふりシェイクすると。
香りはもはや乳酸菌一色で酒の面影はありません。味は甘酒とカルピスを足して、しかしそこまで美味しくもない感じに仕上げた乳酸菌飲料といった風情です。酸味が最初のヨーグルトの頃よりもかなり強く、乳酸菌が元気にしていることが伺えます。
ここまでしてもまだほんのわずか頭痛があるような気がします。酵母菌の死骸、死菌にも反応してしまうのかもしれません。